1997年の洋楽ロック&ポップス名曲ベスト20

1997年にリリースされた洋楽ロック&ポップスから特に有名だったり人気があったりヒットしていたり重要だと思われる20曲を選んでいきたい。

20. MMMBop – Hanson

アメリカの3兄弟からなるポップロックバンド、ハンソンの大ヒット曲で、アメリカやイギリスなどいくつもの国のシングル・チャートで1位に輝いた。プロデュースはダスト・ブラザーズ、邦題は「キラメキ☆MMMBOP」である。

19. Your Woman – White Town

イギリスのアーティスト、ジョディ・プラカシュ・ミシュラのソロプロジェクト、ホワイト・タウンのヒット曲で、全英シングル・チャートで1位に輝いた。ヒップホップやシンセポップ的なモダンなサウンドがベースになっていながら、印象的なトランペットのフレーズはルー・ストーンのバンドによる1932年の音源からサンプリングされている。

18. Come To Daddy – Aphex Twin

エレクトロニックミュージック界の奇才、エイフェックス・ツインことリチャード・D・ジェイムスのシングルで、全英シングルチャートで最高36位を記録した。デヴィッド・カニンガムが監督したミュージックビデオは登場するいろいろな人たちの顔がすべてリチャード・D・ジェイムスというなかなかユニークな内容で話題になった。

17. All You Good Good People – Embrace

90年代半ばに盛り上がったブリットポップはやがてポップスリル的な要素が後退し、保守反動的なギターロックが主流になると共に次第に廃れていったわけだが、マクナマラ兄弟を中心とするブリットポップバンド、エンブレイスもそういった流れで注目され、デビューシングルであるこの曲は全英シングル・チャートで最高8位を記録した。

16. North Country Boy – The Charlatans

マッドチェスターやインディー・ロックの時代に登場したザ・シャーラタンズはその後、ブリットポップ時代にも順応し、アルバム「テリン・ストーリーズ」からの先行シングルであるこの曲は全英シングル・チャートで最高4位を記録した。

15. The Rain (Supa Dupa Fly) – Missy ”Misdemeanor” Elliott

ミッシー・エリオットのデビューシングルで、全英シングル・チャートで最高16位を記録した。プロデューサーはティンバランドで、アン・ピープルズの名曲「アイ・キャント・スタンド・ザ・レイン」を効果的にサンプリングしている。

14. Help The Aged – Pulp

ブリットポップの狂騒も落ち着きかけていた頃にパルプがリリースしたシングルで、ジャーヴィズ・コッカー自身の老いの自覚が反映した曲となっている。この年に脱退したギタリストのラッセル・シニアはこの曲が大嫌いだったという。全英シングル・チャートでは最高8位を記録した。

13. Stereo – Pavement

ブリットポップが保守的でつまらなくなっていった頃に、その中心的バンドのうちの一つであり、かつては誇張したイギリス性を売りにもしていたブラーが影響を受けたのがこのペイヴメントなどのアメリカのオルタナティヴロックであり、それゆえにバンドとしての信頼性を保つことができたように思える。

ペイヴメントのアルバム「ブライトゥン・ザ・コーナーズ」からの先行シングルとしてリリースされたこの曲は、全英シングル・チャートで最高48位を記録した。

12. Into My Arms – Nick Cave & The Bad Seeds

ニック・ケイヴ&ザ・バッド・シーズの10作目のアルバム「ボートマンズ・コール」から先行シングルとしてリリースされ、全英シングル・チャートで最高53位を記録した。当時はあまりにもシンプルすぎはしないだろうかとも思われたのだが、時を経るにつれストレートで深みのあるラヴソングとして、その良さがより評価されていったような印象がある。

11. Ain’t That Enough – Teenage Fanclub

ティーンエイジ・ファンクラブの6作目のアルバム「ソングス・フロム・ノーザン・ブリテン」から先行シングルとしてリリースされ、全英シングル・チャートで最高17位を記録した。よりナチュラルになったサウンドと美しいコーラスが素晴らしく、繰り返し聴いていくうちにどんどん良くなっていく。

10. Between The Bars – Elliott Smith

エリオット・スミスの3作目のアルバム「イーザー/オア」の収録曲で、映画「グッド・ウィル・ハンティング」で使われたことによって、より多くの人々に知られるようになった。

9. Beetlebum – Blur

ブラーの5作目のアルバム「ブラー」からの先行シングルで、全英シングル・チャートで1位に輝いた。ブリットポップの狂騒と自ら距離を置いたかのようなダウナーな雰囲気が感じられ、音楽的にはよりオルタナティヴに寄ったことが功を奏したような素晴らしい楽曲である。

8. Dry The Rain – The Beta Band

スコットランドのオルタナティヴロックバンド、ザ・ベータ・バンドのEP「チャンピオン・ヴァージョンズ」の収録曲である。フォーク、カントリー、ヒップホップなどの影響が感じられるユニークな音楽性がインディーロックファンからはひじょうに高く評価されていた。映画「ハイ・フィデリティ」でも、セレクトショップ的なレコード店でこの曲をかけると常連客がざわつくというようなシーンがあった。

7. Around The World – Daft Punk

ダフト・パンクのデビューアルバム「ホームワーク」からシングルカットされ、全英シングル・チャートで最高5位を記録した。テクノポップやディスコミュージックが最新型にアップデートされたかのようなナイスな楽曲で、マイケル・ゴンドリー監督によるミュージックビデオも未来的でとても良い。

6. Brimful Of Asha – Cornershop

アジア系イギリス人からなるバンド、コーナーショップのアルバム「ボーン・フォー・ザセヴンス・タイム」から先行シングルとしてリリースされ、当時の全英シングル・チャートでの最高位は60位だったが、翌年にノーマン・クックによるリミックスバージョンが1位に輝いている。

5. Block Rockin’ Beats – The Chemical Brothers

エレクトロニックミュージックの中でもビッグビートなどと呼ばれてもいたサウンドで人気があったケミカル・ブラザーズの2作目のアルバム「ディグ・ユア・オウン・ホール」からの先行シングルで、全英シングルチャートで1位に輝いた。

4. The Drugs Don’t Work – The Verve

ザ・ヴァーヴの3作目のアルバム「アーバン・ヒムス」から先行シングルとしてリリースされ、全英シングル・チャートで1位を記録した。この曲はダイアナ元妃を交通事故で亡くしたイギリス国民の当時の心情に寄り添ったことが、大ヒットにつながったかもしれないともいわれている。

3. Paranoid Android – Radiohead

レディオヘッドの3作目のアルバム「OKコンピューター」からの先行シングルとしてリリースされ、全英シングル・チャートで最高3位を記録した。スケールが大きく、よりプログレッシヴになった音楽性からはバンドとしての進化が感じられ、約6分半の長さにもかかわらずヒットした。アニメーションのミュージックビデオも印象的であった。

2. Song 2 – Blur

ブラーのアルバム「ブラー」からシングルカットされ、全英シングルチャートで最高2位を記録した。パンキッシュでありながらポップでキャッチーなサウンドが単純にカッコよく、全米オルタナティヴ・ソング・チャートでも最高6位のヒットを記録した。

1. Bittersweet Symphony – The Verve

1995年に一旦は解散したザ・ヴァーヴが再結成され、カムバックシングルとしてリリースされたのがこの曲である。ストリングスを効果的に用いたアンセミックな楽曲は、ミュージックビデオのインパクトの強さとも相まって全英シングル・チャートで最高2位のヒットを記録した。ローリング・ストーンズ「ラスト・タイム」のオーケストラ版をサンプリングしていたため、多額のロイヤリティーを支払うことにもなった。