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1966年の洋楽ロック&ポップス名曲ベスト20

日本ではGS(グループ・サウンズ)や加山雄三のブームが盛り上がり、ビートルズの来日が話題になった1966年、アメリカやイギリスでリリースされたポップ・ソングの中から、特に重要だと思える20曲を選んでいきたい。

20. The Sun Ain’t Shine Anymore – The Walker Brothers

スコット・ウォーカーが所属していたグループ、ウォーカー・ブラザーズのヒット曲で、邦題は「太陽はもう輝かない」である。ウォール・オブ・サウンド風のサウンドとバリトンボイスが実に魅力的である。

19. For What It’s Worth – Buffalo Springfield

ロサンゼルスのサンセットストリップで抗議行動を行う若者に対し、警官が暴力をふるっているのを見たスティーヴン・スティルスによって書かれたプロテストソングの名曲であり、全米シングル・チャートでは最高7位を記録した。

18. You Don’t Have To Say You Love Me – Dusty Springfield

邦題は「この胸のときめきを」で、エルヴィス・プレスリーによるカバー・バージョンも有名である。元々はイタリアの楽曲であり、サンレモ音楽祭でこの曲を聴いたダスティ・スプリングスティーンが深い感銘を受け、英語詞でカバーすることになったのだという。全英シングル・チャートでは1位に輝いている。

17. I’m A Believer – The Monkees

アイドル的な人気がひじょうに高かったというモンキーズの代表曲で、ニール・ダイアモンドによって書かれている。アメリカ、イギリス、オーストラリアなどをはじめ、様々な国のシングル・チャートで1位に輝いた。

16. Sunny Afternoon – The Kinks

ひじょうにアンニュイな気分が漂っているサマー・ソングで、全英シングル・チャートで1位に輝いた。同じ年にリリースされたビートルズ「タックスマン」と同様に、税金が高いことに対する不満が歌われてもいる。

15. Summer In The City – The Lovin’ Spoonful

夏の都会のうだるような暑さと夜の楽しみが対比的に描写され、街の喧騒を感じさせるノイズなども効果的に用いられている。全米シングル・チャートで1位を記録した。

14. Tomorrow Never Knows – The Beatles

アルバム「リボルバー」の最後に収録された曲で、シングルではリリースされていないが、当時としては革新的な様々な録音技術が用いられた実験的でサイケデリックな楽曲として評価がひじょうに高い。

13. When A Man Loves A Woman – Percy Sledge

邦題は「男が女を愛する時」で、ソウルフルなボーカルがとにかく熱い。全米シングル・チャートで1位、全英シングル・チャートでは1987年のリバイバルヒット時に最高2位を記録している。映画のサウンドトラックに使われたり、他のアーティストによってカバーされることも多く、1991年にはマイケル・ボルトンによるカバー・バージョンも全米シングル・チャートで1位を記録した。

12. Substitute – The Who

ピート・タウンゼントが、スモーキー・ロビンソン&ザ・ミラクルズ「トラックス・オブ・マイ・ティアーズ」の歌詞に出てくる「substitute」という単語にインスパイアされて書いたといわれている。邦題は「恋のピンチ・ヒッター」で、全英シングル・チャートで最高5位のヒットを記録している。

11. Eleanor Rigby – The Beatles

「イエロー・サブマリン」との両A面シングルとしてリリースされ、アルバム「リボルバー」にも収録された曲である。弦楽八重奏を起用したアレンジや老いや死をテーマにした歌詞の内容など、当時のロックバンドの楽曲としてはひじょうに革新的だったという。

10. This Old Heart Of Mine – The Isley Brothers

アイズレー・ブラザーズがモータウンと契約していた頃の代表曲、というか唯一のトップ40ヒットで、全米シングル・チャートでの最高位は12位だが、全英シングル・チャートでは3位まで上がっている。楽曲はホーランド=ドジャー=ホーランドとシルヴィア・モイの共作で、いかにもモータウンらしい洗練されていながらも躍動感に溢れたラヴ・ソングである。イギリスでは後にロッド・スチュワートによるカバー・バージョンもヒットした。

9. River Deep – Mountain High – Ike & Tina Turner

ティナ・ターナーの圧倒的なボーカル・パフォーマンズに感銘を受けたフィル・スペクターは、代名詞でもある「ウォール・オブ・サウンド」の技術と情熱でこのシングルをつくりあげた。全米シングル・チャートでの最高位は88位止まりだったのだが、全英シングル・チャートでは最高3位を記録した。

8. Eight Miles High – The Byrds

アルバム「霧の5次元」からのシングル・カットで、全米シングル・チャートで最高12位を記録した。ドラッグやインド音楽、ジャズなどの影響を受け、それまでのフォーク・ロック的な音楽性からよりサイケデリック感じに変化を遂げている。

7. Paperback Writer – The Beatles

ビートルズがライブ活動を休止する前の最後のシングルで、アメリカやイギリスをはじめ多くの国のシングル・チャートで1位に輝いた。日本武道館での来日公演でも演奏された。小説家志望の主人公が自身のペーパーバックの出版を懇願するという内容の歌詞は、ポール・マッカートニーが叔母からの指摘をきっかけにラヴ・ソング以外の曲を書こうと試みた結果できたものだという。

6. It’s A Man’s Man’s Man’s World – James Brown

ゴッドファーザー・オブ・ソウルことジェームス・ブラウンの、これはバラードの代表曲で、全米シングル・チャートで最高8位を記録した。この世には男性によってつくられた物が多いが、女性がいなければまったく何の意味もない、というようなことが熱く激しく歌われている。

5. You Can’t Hurry Love – The Supremes

モータウン・サウンドの典型のような素晴らしい楽曲で、ダイアナ・ロスのボーカルもとても良い。邦題は「恋はあせらず」で、母から娘への恋のアドバイスがテーマになっている。全米シングル・チャートでは最高10位、全英シングル・チャートでは1位に輝いている。80年代にはフィル・コリンズのカバー・バージョンもヒットした。

4. Reach Out I’ll Be There – The Four Tops

モータウンの男性ボーカル・グループでもザ・ミラクルズを率いるスモーキー・ロビンソンの甘いボーカルに対して、フォー・トップスのリーヴァイ・スタッブスは力強さが特徴である。特にアメリカ、イギリスいずれものシングル・チャートで1位を記録したこの曲では、あえて高音域の限界で歌うことにより、さらに強度が増している。

3. Paint It, Black – The Rolling Stones

邦題は「黒くぬれ!」で、ひじょうに不穏でダークな内容の楽曲である。ブライアン・ジョーンズが演奏するシタールがオリエンタルなムードを醸し出している。イギリス、アメリカいずれものシングル・チャートで1位に輝いている。

2. God Only Knows – The Beach Boys

いろいろなメディアが発表する歴代ベスト・アルバム的な企画で1位やわりと上位に選ばれがちなアルバム「ペット・サウンズ」の収録曲で、邦題は「神のみぞ知る」である。「素敵じゃないか」がシングル・カットされた際にはB面に収録された。もしも君がいないとしたら僕がどうなってしまうかなんていうことは神のみぞ知るとか、君が僕の元を去ってしまうとすれば、もう人生には何の意味もない、ということが美しいメロディーとサウンドに乗せて歌われていて、史上最高のラヴ・ソングだといわれることも少なくはない。

1. Good Vibrations – The Beach Boys

「ペット・サウンズ」はいまやポップ・ミュージック史に残る名盤として評価が定まりまくっているわけなのだが、リリース当時の反応はそれほど芳しくはなかったともいわれる。しかし、その年の秋にリリースされたシングル「グッド・バイブレーション」はアメリカでもイギリスでもシングル・チャートの1位に輝いた。スタジオワークに凝りまくったため、膨大な時間と費用を費やしたということは伝説的に語られたり記録も残っているわけだが、そのような複雑さや実験性がありながらも、シンプルにポップ・ソングとしても楽しめるところが過剰に異常である。

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