2021年間ベスト・ソング・トップ50
年末といえば年間ベストの季節、という訳で程よいタイミングなのでやっていきたい。まず今回は年間ベスト・ソングということで、楽曲単体の特に良かったものをカウントダウンしていきたい。なるべく多くのアーティストをランクインさせるため、その辺りの調整をしたかもしれないが、一部それでもこれは入れておかなければいけないのではないか、ということでそうはなっていないところもあるかもしれない。
50. Last Day On Earth – Beabadoobee
ペイヴメントのスティーヴ・マルクマスになりたい、てなことを歌っていたビーバドゥービーは2000年生まれのフレッシュなアーティストである。90年代のオルタナティヴ・ロックからの影響は感じられるのだが、メロディーがよりキャッチーになっているような気もする。The 1975のマシュー・ヒーリーがバッキングボーカルで参加している。
49. Essence – WizKid feat. Tems
グローバル化するポップ・ミュージック地図において、存在感を増しているのがナイジェリアから広がるアフロビーツであり、その代表的なアーティストの一人がウィズキッドである。この曲では同じくナイジェリアのアーティストであるテムズをフィーチャーし、ユニークなリズムとセクシーなボーカルがひじょうに魅力的な新時代のポップソングとなっている。薄味なサックスも最高である。
48. I Do This All The Time – Self Esteem
セルフ・エスティームはスロー・クラブというフォークデュオで活動していたレベッカ・ルーシー・テイラーによるソロプロジェクトであり、バズ・ラーマン「エヴリバディズ・フリー・トゥ・ウェア・サンスクリーン」にインスパイアされたというこの曲ではユーモアとウィットにとんだ、ややポエトリーリーディング的なところもあるボーカルとアンセミックなコーラスがひじょうに印象的である。
47. Pay Your Way In Pain – St. Vincent
セイント・ヴィンセントの最新アルバム「ダディーズ・ホーム」からの先行シングルである。アルバムのコンセプトでもある70年代ノスタルジア的なところと、デヴィッド・ボウイやプリンスにも通じる実験性とが絶妙なバランスを保っていてとても良い。
46. Best Friend – Saweetie feat. Doja Cat
「プリティ・ビッチ・ミュージック」というタイトルも最高なスウィーティーのデビュー・アルバムにも収録されたシングル曲で、ドージャ・キャットをフィーチャーしている。キュートでセクシーで中毒性がある、とても良い曲である。
45. Serotonin – girl in red
ノルウェー出身のベッドルームポップ的なニューアーティスト、ガール・イン・レッドのメンタルヘルス的なテーマをも扱ったインディー・ロックである。今後がひじょうに期待されるアーティストの一人である。
44. Smile – Wolf Alice
イギリスのインディー・ロック界でもわりと健闘している印象が強いウルフ・アリスの3作目のアルバム「ブルー・ウィークエンド」の収録曲で、シングル・カットもされた。シューゲイザー的なカタルシスも感じられる一方で、ユーロポップ的なキャッチーさもあってとてもおもしろい。
43. Silk Chiffon – MUNA feat. Phoebe Bridgers
ロサンゼルスの3人組バンド、MUNAのとてもセンシュアルなインディー・ポップで、レーベルのボスでもあるフィービー・ブリッジャーズも参加している。
42. Bunny Is A Rider – Caroline Polachek
キャロライン・ポラチェックは覚えている人は覚えているシンセ・ポップ・デュオ、チェアリフトのメンバーだった人である。ミニマルなサウンドと口笛のような音色やエフェクトがかかった声などが絡み合う、実験ポップスの進化型という感じもある。
41. Pick Up Your Feeling – Jazmine Sullivan
2008年にミッシー・エリオットのプロデュースでデビューしたR&Bシンガー、ジャズミン・サリヴァンの久々のアルバム「Heaux Tales」に収録された曲である。いわゆる失恋ソングではあるのだが、ひじょうに強気な内容にも相応しいボーカルパフォーマンスが見事である。