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1964年の洋楽ロック&ポップス名曲ベスト20

1964年にリリースされた洋楽ロック&ポップスの中から特に有名なものや人気があるもの、重要だと思えるものなどを20曲選んでいきたい。

20. Remember (Walking In The Sand) – The Shangri-La’s

ニューヨークはクイーンズ出身のガールズポップグループ、シャングリラスの3枚目のシングルで、全米シングル・チャートで最高5位を記録した。恋人から手紙で別れを告げられた主人公が悲しんだり怒ったりしながら砂浜を歩くという内容で、カモメの鳴き声の効果音も効いている。この曲のでも音源でセッションミュージシャン時代のビリー・ジョエルがピアノを弾いていたといわれている。邦題は「リメンバー~渚のおもいで」である。

19. She’s Not There – The Zombies

イギリスのロックバンド、ゾンビーズのデビューシングルで、全英シングル・チャートでの最高位は12位だったが、全米シングル・チャートでは最高2位を記録した。1位を阻んだのはボビー・ヴィントン「ミスター・ロンリー」であった。

18. The Girl From Ipanema – Astrud Gilberto

1962年にアントニオ・カルロス・ジョビンによって書かれ、ポルトガル語で歌われていた曲をスタン・ゲッツがカバーしてアストラッド・ジルベルトが英語の歌詞で歌ったバージョン。全米シングル・チャートで最高5位を記録したほか、いろいろな国でヒットした。イパネマに住んでいた実在の少女がモデルになっている。

17. The House Of The Rising Sun – The Animals

「朝日のあたる家」の邦題で知られるアメリカの伝統的なフォークソングをイギリスのロックバンド、アニマルズがカバーしたバージョンである。タイトルは娼館か刑務所のことを指しているといわれ、娼婦がそれまでの人生を悔いるような内容となっている。イギリスに続きアメリカでもシングル・チャートの1位に輝き、ブリティッシュ・インヴェイジョンを強く印象づけたレコードだともいわれている。

16. Downtown – Petula Clarke

「恋のダウンタウン」の邦題でも知られるイギリスのポップシンガー、ペトゥラ・クラークのヒット曲で、全英シングル・チャートで最高2位、全米シングル・チャートでは1位に輝いた。作詞・作曲・プロデュースを手がけているトニー・ハッチがニューヨークを訪れた時に街の様子にインスパイアされて書いた曲だといわれている。

15. I Get Around – The Beach Boys

ビーチ・ボーイズのアルバム「オール・サマー・ロング」からの先行シングルとしてリリースされ、1曲目に収録された曲である。全米シングル・チャートではグループにとって初の1位に輝き、全英シングル・チャートではこの曲で初のトップ10入りを果たした。

14. Where Did Our Love Go – The Supremes

モータウンの売れっ子ソングライターチーム、ホーランド=ドジャー=ホーランドによって書かれたシュープリームスにとって初の全米NO.1ヒットであり、5曲連続1位の1曲目である。「愛はどこへ行ったの」の邦題でも知られる。

13. Leader Of The Pack – The Shangri-Las

ガールズポップグループ、シャングリラのヒット曲で、「黒いブーツでぶっとばせ」の邦題でも知られる。暴走族のリーダーであるワルでイカした男の子に恋をして付き合うのだが、親に反対されて別れると自暴自棄になった彼は雨の中をバイクで暴走し、事故で亡くなってしまったという悲しい内容である。

12. I Just Don’t Know What To Do With Myself – Dusty Springfield

バート・バカラックとハル・デヴィッドのコンビによって書かれ、すでに何人かのシンガーによって歌われていた曲をダスティ・スプリングフィールドがカバーしたバージョンである。「恋のとまどい」の邦題でも知られ、失恋の痛手から立ち直れずにどうすればいいか分からないというようなことが歌われている。全英シングル・チャートで最高3位のヒットを記録した。いろいろなアーティストによってカバーされているが、ザ・ホワイト・ストライプのガレージロック風のバージョンはひじょうにインパクトがあった。

11. Don’t Worry Baby – The Beach Boys

ブライアン・ウィルソンがロネッツ「ビー・マイ・ベイビー」の影響を受けて書いた曲だといわれている。シングルとしては「アイ・ゲット・アラウンド」とのカップリングでリリースされ、全米シングル・チャートでの最高位は24位だったが、それ以上に人気と評価がひじょうに高い曲でもある。

10. Oh, Pretty Woman – Roy Orbison

ロックンロール時代の人気アーティスト、ロイ・オービソンのヒット曲で、全米、全英いずれものシングル・チャートで1位に輝いた。1990年にはこの曲をテーマソングにした映画「プリティ・ウーマン」がヒットして、新しい世代にも知られるようになった。

9. The Times They Are A-Changin’ – Bob Dylan

ボブ・ディランがロック化して一部の純粋なフォークファンから裏切り者呼ばわりされる前にリリースされた曲で、「時代は変る」の邦題で知られる。ケネディ大統領の就任演説にインスパイアされ書かれたともいわれ、若者世代の代弁者としてのイメージを強化したように思える。

8. Baby Love – The Supremes

シュープリームスがリリースしたこれもまたホーランド=ドジャー=ホーランドによるポップでキャッチーな楽曲で、「愛はどこへ行ったの」に続き全米シングル・チャートで1位のみならず、海を渡ったイギリスでも全英シングル・チャートで初の1位に輝いた。

7. You’ve Lost That Lovin’ Feelin’ – The Righteous Brothers

フィル・スペクターのプロデュースにより、ウォール・オブ・サウンドの技法を生かしたドラマティックな楽曲となっているライチャス・ブラザーズのバラードで、全米、全英いずれものシングル・チャートで1位に輝いた。「ふられた気持ち」の邦題でも知られる。

6. Walk On By – Dionne Warwick

バート・バカラックとハル・デヴィッドのコンビによる楽曲で、全米シングル・チャートで最高6位を記録した。アイザック・ヘイズやストラングラーズなど、様々なアーティストによってカバーされている切ない失恋ソングの名曲である。

5. My Girl – The Temptations

モータウンの数あるヒット曲の中でも特に知られているうちの1曲で、テンプテーションズにとって初の全米NO.1ヒットとなった。スモーキー・ロビンソンによって書かれた歌詞は、ザ・ミラクルズのメンバーで妻でもあるクローデット・ロジャーズ・ロビンソンがモデルになっているという。

4. A Hard Day’s Night – The Beatles

主演映画の主題歌でもあるビートルズのシングルで、イギリスやアメリカをはじめ多くの国々のシングル・チャートで1位に輝いた。とにかくとても忙しいということについて歌われている。当時の邦題は映画と同じく「ビートルズがやって来る ヤァ!ヤァ!ヤァ!」で、後に映画評論家として活躍する水野晴郎が映画会社の社員だった頃につけたものだという。

3. You Really Got Me – The Kinks

イギリスのロックバンド、ザ・キンクスの初期の代表曲で、全英シングル・チャートで1位に輝いた後、全米シングル・チャートでも最高7位のヒットを記録し、ブリティッシュ・インヴェイジョンを盛り上げることになった。当時としてはひじょうにヘヴィーなサウンドであり、ヘヴィーメタルやパンクロックの元祖のようにいわれていることもある。80年代にはハードロック/ヘヴィーメタルバンドのヴァン・ヘイレンによってカバーもされている。

2. Dancing In The Street – Martha & The Vandellas

マーサ&ザ・ヴァンデラスによるヒット曲で、全米シングル・チャートで最高2位を記録した。当初は純粋なポップスとして受け入れられたが、公民権。

1. A Change Is Gonna Come – Sam Cooke

モハメド・アリ、マルコムX、ジム・ブラウン、サム・クックが集った一夜を描いた映画「あの夜、マイアミで」が2020年に全米で公開されたり、翌年にはAmazonプライムビデオで配信されたが、この作品でも取り上げられていたサム・クックの祈りのような楽曲である。シングル「シェイク」のB面としてリリースされ、全米シングル・チャートでの最高位も31位とサム・クックの楽曲の中で特別高くはないが、そのメッセージ性の強さと普遍性によって、ひじょうに高く評価されている。「ローリング・ストーン」誌が2021年にアップデートした歴代ベスト・ソングのリストではアレサ・フランクリン「リスペクト」、パブリック・エナミー「ファイト・ザ・パワー」に次ぐ3位に選ばれている。

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