サザンオールスターズの名曲ベスト50 Pt.4 (20-11)

20. Bye Bye My Love (U are the one) (1985)

サザンオールスターズの8作目のアルバム「KAMAKURA」から先行シングルとしてリリースされ、オリコン週間シングルランキングで最高4位を記録した。レコードセールスに加え、有線放送やハガキリクエストを集計したTBSテレビ系「ザ・ベストテン」では3週連続1位に輝いている。

1983年の「綺麗」以降、サザンオールスターズの作品に参加していた矢口博康が率いるバンド、リアルフィッシュが演奏に参加し、編曲にも関わっている。この数年後にリリースされたリアルフィッシュの12インチシングル「ジャンクビート東京」には桑田佳祐がいとうせいこうと共にラップで参加し、「勝手にシンドバッド」のフレーズが引用されていることが話題になった。

サブタイトルの「U are the one」については、この年に大ヒットしたUSAフォー・アフリカ「ウィ・アー・ザ・ワールド」に対するアンサーソング的な意味合いがあったという。「U」は「you」のことであり、この前の年に「パープル・レイン」が大ヒットしたプリンスがよく使っていた。

19. 栞のテーマ (1981)

サザンオールスターズの4作目のアルバム「ステレオ太陽族」からシングルカットされ、オリコン週間シングルランキングで最高44位を記録した。デビューから5枚目のシングル「C調言葉に御用心」まではすべてトップ10していたサザンオールスターズのシングルだが、1980年に音楽活動に集中するためテレビ出演などを控えてからはセールスが低迷していった。とはいえ、アルバムは売れ続けていて、「ステレオ太陽族」も先行シングル「Big Star Blues(ビッグスターの悲劇)」がオリコン週間シングルランキングでの最高位が49位と過去最低だったにもかかわらず、前作「タイニイ・バブルス」に続いて1位に輝いた。

この曲はアルバム収録曲の中でも特に人気が高くシングルカットされたのだが、大きなヒットには結びつかなかった。しかし、初期を代表するバラードとして知られ、テレビドラマ「ふぞろいの林檎たち」でもよく使われていた印象がある。タイトルの「栞」はこの曲が挿入歌として使われていた映画「モーニングムーンは粗雑に」の登場人物の名前である。

この曲にちなんで「しおり」と命名された子供が意外と多く、ももいろクローバーZの玉井詩織もそのうちの1人だという。

18. さよならベイビー (1989)

ホイチョイプロダクションズの馬場康夫が監督した映画「彼女が水着に着がえたら」の主題歌としてリリースされ、オリコン週間シングルランキングで初の1位に輝いた。それまでに「いとしのエリー」「C調言葉に御用心」「チャコの海岸物語」「Melody (メロディ)」「みんなのうた」が最高2位を記録していたが、1位になったのは26枚目のシングルにしてこの曲がはじめてであった。

一方、TBSテレビ系の「ザ・ベストテン」では「いとしのエリー」の7週連続1位、年間2位をはじめ、「チャコの海岸物語」「Bye Bye My Love(U are the one)」「Melody(メロディ)」でも1位に輝いていたのだが、この曲は最高8位であった(3週連続8位の間、プリンセス・プリンセス「Diamonds」、少年隊「まいったネ今夜」が1位でだった)。

17. 愛の言霊~Spiritual Message~ (1996)

サザンオールスターズの12作目のアルバム「Young Love」から先行シングルとしてリリースされ、オリコン週間シングルランキングで1位、139.5万枚を売り上げるミリオンセラーとなった。

タイトルがあらわしているようにどこかスピリチュアルな印象もあたえる楽曲で、歌詞ではユニークな言葉遊びが印象的でありながら、しっかりサマーソングにもなっている。「ヤーレンソーラン」「エンヤコーラ!!」といったかけ声やラップが導入されていたりもして、実験的で情報量も多いのだがそれでいて大衆音楽としての強度にもすさまじいものがある。

16. 匂艶 THE NIGHT CLUB (1982)

サザンオールスターズの5作目のアルバム「NUDE MAN」から先行シングルとしてリリースされ、オリコン週間シングルランキングで最高8位を記録した。タイトルの「匂艶」は「にじいろ」と読む。

「チャコの海岸物語」が久々のシングルヒットとなり、勢いに乗っているタイミングでの連続ヒットであった。アップテンポでノリが良い中に絶妙な猥雑さのようなものも感じられ、「薄手のブラが裸の中身も通す」から「Night Clubで男も濡らす」「Night Clubは女も立たす」あたりの表現は桑田佳祐の真骨頂でもある。

15. 海 (1984)

サザンオールスターズの7作目のアルバム「人気者で行こう」からの先行シングルは「ミス・ブランニュー・デイ」ではなくこの曲になる可能性もあったようだが、結果的にはそうしなくて正解だったような気がする。

桑田佳祐がジューシィ・フルーツに提供した曲のセルフカバーだが、サザンオールスターズのジャパニーズAOR的な側面がとても良いかたちで際立っていてとても良い。

14. メロディ (Melody) (1985)

サザンオールスターズの8作目のアルバム「KAMAKURA」からの先行シングルで、オリコン週間シングルランキングで最高2位を記録した。アルバムのテレビCMではこの曲に合わせて明石家さんまが口パクをしていて、「サザンオールスターズ、国民待望の2枚組」などとナレーションが入っていた。

「いい女には forever 夏がまた来る」というフレーズが印象的な桑田佳祐らしいバラード曲なのだが、アレンジの絶妙な打ち込み感がまたとても良い味を出している。個人的には上京して最初の夏の終わりに、この曲とピチカート・ファイヴのデビューシングル「オードリィ・ヘプバーン・コンプレックス」を一緒に入れたカセットテープをよく聴いていたことが思い出される。

13. ミス・ブランニュー・デイ (MISS BRAND-NEW DAY) (1984)

サザンオールスターズの7作目のアルバム「人気者で行こう」から先行シングルとしてリリースされ、オリコン週間シングルランキングで最高6位を記録した。しかも、アルバムが発売されてからもしばらくヒットし続けていて、かなりのロングセラーになっていた。

このアルバムからは「海」を先行シングルとしてリリースする案もあったようなのだが、結果的にはシンセサイザーのサウンドが印象的なこの曲にして正解だったのではないかと思われる。

歌詞は当時の軽薄短小な時代の潮流を批評しているかのようでもあるのだが、実際にはそれほど深い意味はなく、そういったいまどきの女性たち(「わりとよくあるタイプの君」)が好きだということが歌われているように感じられる。

12. チャコの海岸物語 (1982)

サザンオールスターズの14枚目のシングルとしてリリースされ、オリコン週間シングルランキングで最高2位、「ザ・ベストテン」では1979年の「いとしのエリー」以来となる1位に輝いた。

しばらくシングルのセールスが低迷していたサザンオールスターズがこの曲では意図的にヒットを狙っていたともいわれ、実際にそうなったわけだが、当時ラジオで初めて聴いた時には一体どうしてしまったのだろうと思ったぐらいインパクトがあった。

昭和歌謡的な曲調に、明らかに普段とは違う桑田佳祐のボーカルは当時大人気だった田原俊彦を意識したものだったという。タイトルの「チャコ」はビクターのディレクター、飯田久彦の愛称、歌詞に登場する「ミーコ」は弘田三枝子(「私はピアノ」は当初、高田みづえではなく弘田三枝子が歌う予定であった。また、サザンオールスターズはアルバム「綺麗」に弘田三枝子のことを歌った「MICO」を収録し、弘田三枝子はそれに対するアンサーソング「O-KAY」をリリースした)、「ピーナッツ」はザ・ピーナッツである。

通好みのアルバムアーティスト化しつつあったサザンオールスターズが、一般大衆的な国民的人気バンドとしてもまだまだいけるということを証明したようなところもある、とても重要なシングルだといえる。

11. エロティカ・セブン EROTICA SEVEN (1993)

サザンオールスターズの32枚目のシングルとして「素敵なバーディー(NO NO BIRDY)」と同時発売され、オリコン週間シングルランキングで1位に輝いた。

サザンオールスターズの作品において、性愛というのはひじょうに重要な要素の1つである。初期においては青春の悶々とした感じが表現されてもいて、それが共感を呼んでもいたのだが、この頃は完全に開きっ放しのエンターテインメントとしてのそれという感じである。それでいて、侘しさや哀感のようなところも感じさせるところがリアルでとても良い。

この曲が発売された頃、渋谷ロフトの1階にまだCDショップのWAVEがあって、店頭でプロモーションを行っていたのだが、ラジカセが「エロティカ・セブン」のあのイントロを流す度に、Tシャツを着た陽気な女性店員2人がノリノリで踊っていたことが思い出される。