2021年間ベスト・ソング50
40. PINK BLOOD – 宇多田ヒカル
ミニマルなサウンドとボーカルのレイヤーがとても心地よく、浮遊感がありながらそこはかとない哀しみも感じれるとても良い曲。ボーカリストとしての多彩な魅力もこの1曲の中でいろいろ感じ取ることができる。
39. Little Things – Big Thief
ギターのサウンドが多重に重なっていて、繊細だったりエモーショナルだったりもするのだが、それに乗せて歌われるボーカルも幻想的でもありながら強い意志というか、執着をすら感じさせる。この曲も収録される予定のアルバムが2022年にはリリースされる予定だというが、どえらいことになっていそうな予感もしている。
38. 食べた愛 – aiko
恋についての音楽というよりは音楽そのものが恋をする主体でもあるかのような、aikoのボーカルとサウンドとがここに来てさらに進化と深化を遂げた新曲を聴くことができるのはそれだけで至福というものである。
37. La Perla – Sofia Kourtesis
ディープハウス的なトラックにワールドミュージック的なボーカルやサンプリングやシンセサイザーなどが乗っている、とてもユニークなダンスチューンである。
36. John L – black midi
ロンドンのニュー・ウェイヴ・バンド、ブラック・ミディはわりとマニアックな音楽をやっているのだが、けしてオタクっぽくなることはなく、健全なポップ感覚のようなものが感じられるのが良いところで、音楽性がより高度になったようでもあるこの曲においてもそうなので、これはやはりすごいことではないかと思うのである。
35. family ties – Baby Keem & Kendrick Lamar
ケンドリック・ラマーが参加している新曲ということがやはり興味のほとんどではあるわけだが、ベイビー・キームはそのいとこだとも言われたりしている。それはそうとして、二部構成になっているところなどもひじょうにおもしろく、この次の作品がまた楽しみになるというものである。
34. Good Days – SZA
SZAなのでおそらく間違いはないと思って聴きはじめたのだが、それにしてもこれはちょっと期待以上にかなり良いのではないかと感じたことが思い出される。どこかノスタルジックでもありながら明らかに新しい、つまりひじょうにエバーグリーンな音楽なのではないかと感じられる。こんな時代にあえてアジャストしてきたという可能性も考えられ、いずれにしても間違いないなと改めて実感させられたのであった。
33. Fuck Him All Night – Azealia Banks
アゼリア・バンクスといえば以前から何かとお騒がせがちではあるのだが、それはそうとして、タイトルがあらわしているようにメッセージは明白である。つまり、一晩中ファックするということで、そのことが終始ディープなサウンドに乗せて主張されている。
32. t r a n s p a r e n t s o u l – WILLOW feat. Travis Barker
ロック的な楽曲であり、しかも「1、2、3、4」のカウントから入るというベタさではあるのだが、これがアイロニカルなパスティーシュなのかというとまったくそんなことはなく、わりとガチに切実さが伝わりいまの気分にフィットしているようにも感じられるところが不思議だが本当である。
31. Scratchcard Lanyard – Dry Cleaning
ドライ・クリーニングというバンド名にすでにセンスを感じたりもするのだが、ポスト・パンク/ニュー・ウェイヴ的な音楽をやっていながら、けして腐臭を感じないというか、フレッシュなところがこのバンドの魅力なのではないかと思ったりするわけである。