an island with cottages and beach chairs

サザンオールスターズの名曲ベスト50 Pt.2 (40-31)

40. この青い空、みどり~BLUE IN GREEN~ (2000)

サザンオールスターズの46枚目のシングルとしてリリースされ、オリコン週間シングルランキングで最高3位を記録した。

桑田佳祐によるハーモニカの演奏も印象的なフォークロック的な楽曲で、ボブ・ディランや吉田拓郎のイメージが重なったりもする。このシングルを最後にデビュー当時からのメンバーであったギターの大森隆志が休養に入り、翌年に脱退した。タイトルや曲の内容は雑誌「Free & Easy」の取材で沖縄を訪れた時の体験にインスパイアされたといわれている。

どこか過去を総括しているような印象も受ける曲だが、サザンオールスターズはこのシングルの後でバラード曲をあつめたベストアルバム「バラッド3~the album of LOVE~」をリリースし、活動休止期間に入った。

39. ボディ・スペシャルⅡ (BODY SPECIAL) (1983)

サザンオールスターズの17枚目のシングルで、オリコン週間シングルランキングで最高10位を記録した。これで「チャコの海岸物語」から4曲連続でのトップ10ヒットとなった。

いかにもライブ受けしそうなアップテンポな曲調に加え、カジュアルにエロティックな歌詞が特徴的である。日本語だと放送禁止になるので音が近い英語ということにしたのではないかと思われる「愛し君のShyなMan Call」なるフレーズも登場する。そして、ジャケット写真には上半身裸の女性が写っているのだが、これが堂々とレコード店に並んでいたのだ。

オリジナルアルバムに入っていないばかりか、コンピレーションアルバムにも限定発売のCD-BOX「すいか」とカセットテープのみで発売された「原由子 with サザンオールスターズ」以外には収録されなかった。このためか2005年にそれまでのサザンオールスターズのすべてのシングルが12cmのCDシングルで発売された時には、週間18位という最も高い順位でランクインした。

38. 壮年JUMP (2018)

サザンオールスターズのベストアルバム「海のOh, Yeah!!」に収録される新曲として発表されたが、あまりにも反響が大きかったことから配信シングルとしてもリリースされた。

タイトルはもちろん人気漫画雑誌「少年ジャンプ」のパロディーであり、「壮年」は老年や高齢者に対して用いられている場合が多いが、実際には働き盛りの世代を指しているという。

「アイドル」という単語がポジティヴな意味合いで用いられているが、桑田佳祐がイメージしていたのは2016年に亡くなったデヴィッド・ボウイだったという。それ以外にもこの年に引退することが報じられていた安室奈美恵や亡くなった西城秀樹、桑田佳祐がかつて熱中したビートルズや現代の若者たちにとってのジャニーズ事務所所属アイドルや48グループまで、あらゆる意味におけるアイドルに対するわくわくするような気持に寄り添った楽曲になっているような気がする。

37. シュラバ★ラ★バンバ (1992)

「涙のキッス」と共にシングル2枚同時発売され、オリコン週間シングルランキングで最高2位を記録した(1位は「涙のキッス」である)。

タイトルからは「修羅場」とリッチー・ヴァレンスやロス・ロボスで知られる「ラ・バンバ」が連想されたりもするが、造語や言葉遊びや英語のラップなどをも含むこれもまたマイルドにエロティックでノリの良い曲である。

ベーシストの関口和之が療養中のため、ベースはシーケンサーの打ち込みで収録され、それが曲に独特なグルーヴをあたえてもいる。今日でいうところのセクシー女優たちが出演したミュージックビデオは、ブレイクする前の岩井俊二によって監督されている。

36. シャ・ラ・ラ (1980)

音楽制作に集中するためにテレビ出演などを控えた結果、シングルのセールスが一時的に低迷していた頃に「ごめんねチャーリー」との両A面でリリースされた曲で、オリコン週間シングルランキングでは最高29位を記録した。

桑田佳祐と原由子のデュエットで、年の瀬に一年を振り返るような内容にもなっている。「今年もなにゆえ さかのぼれば夢 二人でいて楽しけりゃなおのこと」というフレーズにグッとくる。「雪になりそな Merry, merry, merry Christmas, baby」という歌詞があることからクリスマスソングと考えることもできる。

35. EMANON (1983)

サザンオールスターズの6作目のアルバム「綺麗」からのシングルカットで、先行シングルではなく同日発売でオリコン週間シングルランキングでの最高位は24位と約1年半ぶりにトップ10入りを逃した。ジャケットも「綺麗」とほぼ同じデザインで、タイシタレーベルから初のシングルとなっている。タイトルはノー・ネーム(NO NAME)を逆から読んだもので、特に意味はないと思われる。

「綺麗」は実験精神にも溢れた攻めたアルバムでもあり、大ヒットしたのみならず批評家からの受けもひじょうに良かったわけだが、この曲はかなりオーセンティックでAOR的でもある。とはいえ、当時のサザンオールスターズがこのような渋い曲をあえてシングルカットすること自体が冒険だったような気がしないでもない。

「レコード・コレクターズ」2020年7月号の「シティ・ポップの名曲ベスト100 1980-1989」では、サザンオールスターズの曲で唯一選ばれていて、20位というわりと高順位にランクインしている。

34. 夏をあきらめて (1982)

1980年に入りテレビ出演などを意図的に控えた結果、シングルはそれほどヒットしなくなったのだがアルバムは発売すれば必ず1位になるという状態になっていたサザンオールスターズが、この年には「チャコの海岸物語」を久々に大ヒットさせ、続く「匂艶 THE NIGHT CLUB」も続けてトップ10入りを果たした。

その勢いにのった状態でリリースされたアルバム「NUDE MAN」に「チャコの海岸物語」は収録されていなかったものの、当然のように大ヒットして、オリコン週間アルバムランキングでは「タイニイ・バブルス」から3作連続となる1位に輝いた。

特に評判が良かったのがA面3曲目に収録されたこの曲であり、カップルが海で遊ぼうと思っていたら雨が降っていて悲しいというような状況をここまでの情緒で描いているところがとにかくすさまじく、夏をあきらめるという表現そのものも新しいのだがしっくりくるものであった。

研ナオコによるカバーバージョンがオリコン週間シングルランキングで最高5位のヒットを記録し、「熱めのお茶」「意味シンなシャワー」というフレーズはスチャダラパー「サマージャム’95」に引用された。

33. YOU (1990)

9作目のアルバム「Southern All Stars」の収録曲で、シングルではリリースされていないがファンの間では人気が高く、ベストアルバム「海のYeah!!」にも収録された。

バンドとしての活動休止期間を経て約4年4ヶ月ぶりのアルバムとなった「Southern All Stars」では従来のサザンオールスターズ的な楽曲と、よりナチュラルなデジタルサウンドとの組み合わせが印象的だったが、それを象徴する楽曲でもあるような気がする。

32. Ya Ya (あの時代を忘れない)(1982)

1982年のサザンオールスターズは「チャコの海岸物語」「匂艶 THE NIGHT CLUB」と久々にシングルヒットが続き、その締めくくりとしてバラードがシングルとしてリリースされるということでかなり期待されていた記憶がある。結果的にオリコン週間シングルランキングで最高10位を記録し、3曲連続でのトップ10入りを果たした。

タイトルから想像できるように、青春時代を振り返ったひじょうにノスタルジックな楽曲となっている。具体的には桑田佳祐らメンバーの母校である青山学院大学在籍時のことが歌われていて、軽音楽サークルである「Better Days」の名前も歌詞に出てくる。

31. Oh!クラウディア (1982)

5作目のアルバム「NUDE MAN」に収録されたバラード曲であり、すでに過ぎ去ってしまったと思われる「去年の夏」の恋について歌われている。

サウンド的に凝りはじめたりを本格的にする前の、純粋にソングライティングそのものが邦楽ポップスとしてとても新しいのではないかと感じられていた頃の、わりとノーマルな楽曲であり、それゆえに卓越したセンスが冴えまくっているともいえる。

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