group of friends singing while sitting on beach sand

1972年の洋楽ロック&ポップス名曲ベスト20

田中角栄の日本列島改造論が話題になり、あさま山荘事件が起こり、フォークソングとアイドルポップスが日本では流行していた1972年、アメリカやイギリスでヒットしたりしなかったりしていたポップ・ソングの中から特に重要だと思える20曲を選んでいきたい。

20. Love And Happiness – Al Green

アルバム「アイム・スティル・イン・ラヴ・ウィズ・ユー」収録曲で、シングルとしてヒットはしていないがひじょうに人気と評価が高く、数々のカバー・バージョンも生まれた。

19. Perfect Day – Lou Reed

アルバム「トランスフォーマー」収録曲。90年代には映画「トレインスポッティング」に使われたり、様々なアーティストによって歌われたカバー・バージョンがチャリティー・シングルとして全英シングル・チャートの1位に輝いたりもした。

18. The Ballad Of El Goodo – Big Star

活動していた頃はほとんど売れていなかったのだが、解散してしばらく経ってから再評価されたパワー・ポップ・バンド、ビッグ・スターのデビュー・アルバム「#1レコード」に収録されたハーモニーがとても美しい楽曲である。

17. I Saw The Light – Todd Rundgren

ポップスの魔法使い的なシンガー・ソングライター、トッド・ラングレンが23歳の頃にリリースしたアルバム「サムシング/エニシング?」からシングル・カットされ、全米シングル・チャートで最高16位を記録した。すべての楽器をトッド・ラングレン自身が演奏している。

16. Starman – David Bowie

デヴィッド・ボウイのグラム・ロック期を代表するアルバム「ジギー・スターダスト」からシングル・カットされ、全英シングル・チャートで最高10位を記録した曲である。

15. Me And Mrs. Jones – Billy Paul

洗練されたサウンドが特徴のフィリー・ソウルと呼ばれるジャンルから数々のヒット曲が生まれたのもこの頃だが、ジャズ・シンガーであったビリー・ポールによるこの全米NO.1ソングも、そのうちの1つである。内容は不倫ソングとなっている。

14. Do It Again – Steely Dan

スティーリー・ダンのデビュー・アルバム「キャント・バイ・ア・スリル」からシングル・カットされ、全米シングル・チャートで最高6位を記録した曲である。玄人受けしがちなハイセンスなポップスだが、間口はわりと広くて入りやすい。

13. Superfly – Curtis Mayfield

ソウル/ファンク系のサウンドトラックもこの時代には一つのトレンドになっていたようなところもあるが、アイザック・ヘイズ「シャフト」と並んでその代表作といえるのが、カーティス・メイフィールドのファンキーでクールな「スーパーフライ」であろう。タイトルトラックであるこの曲は、全米シングル・チャートで最高8位を記録した。

12. Heart Of Gold – Neil Young

70年代前半にはシンガー・ソングライターによる優れたアルバムも多数リリースされたが、ニール・ヤングの「ハーヴェスト」もそのうちの1つで、評価が高い上に全米アルバム・チャートで1位に輝いた。シングル・カットされたこの曲もヒットして、全米シングル・チャートで1位を記録している。邦題は「孤独の旅路」である。

11. Back Stabbers – The O’Jays

フィリー・ソウルの代表的バンドの1つ、オージェイズのヒット曲で、全米シングル・チャートで最高3位を記録した。邦題は「裏切り者のテーマ」である。

10. School’s Out – Alice Cooper

学校の学期が終わり、夏休みがはじまる最高の解放感を音像化したような素晴らしい楽曲で、全英シングル・チャートでは1位に輝いた。グラム・ロックにカテゴライズされる。

9. Why Can’t We Live Together – Timmy Thomas

チープなリズムボックスとオルガンの演奏が印象に残るひじょうにユニークなサウンドに乗せて、メッセージ性の強い内容が歌われている。全米シングル・チャートでは最高3位のヒットを記録し、80年代にはシャーデーによってカバーされている。

8. You’re So Vain – Carly Simon

カーリー・サイモンのアルバム「ノー・シークレッツ」からシングル・カットされ、全米シングル・チャートで1位に輝いた。邦題は「うつろな愛」である。クレジットはされていないが、ミック・ジャガーがバックコーラスで参加している。

7. Ziggy Stardust – David Bowie

初期のデヴィッド・ボウイやグラム・ロックというジャンルを代表する素晴らしいアルバム「ジギー・スターダスト」のタイトルトラックである。

6. Tumbling Dice – The Rolling Stones

史上最高のロックンロール・アルバムともいわれる「メイン・ストリートのならず者」からの先行シングルで、全米シングル・チャートで最高7位を記録した。邦題は「ダイスをころがせ」である。

5. Walk On The Wild Side – Lou Reed

デヴィッド・ボウイとミック・ロンソンがプロデュースしたアルバム「トランスフォーマー」からシングル・カットされ、全米シングル・チャートで最高16位を記録した。アンダーグラウンドの人々を描いた楽曲であり、邦題は「ワイルド・サイドを歩け」である。

4. All The Young Dudes – Mott The Hoople

「すべての若き野郎ども」というひじょうにカッコいい邦題がついたグラム・ロックのアンセムであり、デヴィッド・ボウイによって作詞・作曲・プロデュースされている。全英シングル・チャートでは、最高3位のヒットを記録した。

3. Virginia Plain – Roxy Music

ロキシー・ミュージックのデビュー・シングルで、全英シングル・チャートで最高4位を記録した。ブライアン・イーノがメンバーとして在籍していた頃の楽曲で、ポップでありながら実験的でもあり、未来的な気分も味わえる楽曲となっている。

2. Papa Was A Rollin’ Stone – The Temptations

テンプテーションズといえばモータウンを代表するグループの1つであり、60年代には「マイ・ガール」をはじめ数々のヒット曲を生み出したのだが、その後、ノーマン・ホイットフィールドのプロデュースによるよりサイケデリックなサウンドに変化していく。この曲は同じレーベルのグループ、アンディスピューテッド・トゥルースのカバーで、サイケデリック・ソウルの1つの到達点ともいえるような仕上がりになっている。全米シングル・チャートではグループにとって4曲目となる1位に輝いた。

1. Superstition – Stevie Wonder

アルバム「トーキング・ブック」からシングル・カットされ、全米シングル・チャートで1位に輝いた。元々はジェフ・ベックに提供しようとしていた曲だったのだが、自身でレコーディングしてリリースしたところ大ヒットしたということである。邦題は「迷信」で、歌詞ではいくつかの迷信の例を出して、それらを否定している。より幼い頃からアーティストとして活躍していたスティーヴィー・ワンダーだが、この曲のヒット以降はさらにその才能を発揮しまくり、ポップ・ミュージック史に残る素晴らしい作品の数々を生みだしていくようになる。

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