1990年の洋楽ロック&ポップス名曲ベスト20

テレビアニメ「ちびまる子ちゃん」が大ヒットして、「11PM 」「夜のヒットスタジオ」が放送を終了、ローリング・ストーンズが初来日したりティラミスがブームになったりといったことが日本ではあった1990年に、アメリカやイギリスでリリースされたポップ・ソングの中から、特に重要だと思える20曲を選んでいきたい。

20.Twin Peaks Theme – Angelo Badalamenti

デヴィッド・リンチが監督したテレビドラマ「ツイン・ピークス」が大ヒットし、そのサウンドトラックもまあまあ売れていた。ジュリー・クルーズのボーカルが入った「フォーリング」は、全英シングル・チャートで最高7位を記録した。

19. One Love – The Stone Roses

マッドチェスター・ムーヴメントが盛り上がり、その中心的存在であったザ・ストーン・ローゼズの新曲として注目された。全英シングル・チャートでは、最高4位を記録した。

18. Groovy Train – The Farm

マッドチェスター・ムーヴメントに対するリヴァプールからの回答的なバンド、ザ・ファームの2枚目のシングルで、全英シングル・チャートで最高6位を記録した。この曲も収録したデビュー・アルバム「スパルタカス」がこの翌年にリリースされ、全英シングル・チャートで1位に輝いている。

17. World In Motion – New Order

サッカーワールドカップにおけるイングランド代表公式応援歌としてリリースされ、全英シングル・チャートで初の1位に輝いた曲である。代表選手の1人であるジョン・バーンズのラップもフィーチャーされている。

16. Vapour Trail – Ride

轟音ギターと甘いボーカルとメロディーで人気となったインディー・ロック・バンド、ライドのデビュー・アルバム「ノーホエア」の最後に収録されていた曲である。アメリカでは、翌年にシングル・カットもされた。エフェクター類を確認するためか下を向いて演奏しがちなことからシューゲイザーなどと音楽メディアから呼ばれていたのだが、後にサブジャンル名として定着することになる。

15. Unbelievable – EMF

インディー・ロックとダンス・ミュージックの融合はマッドチェスターやインディー・ダンスの流行によってトレンド化していたのだが、そこにアイドル的要素も加わっているようにも感じられたのがEMFで、この曲は全英シングル・チャートで3位を記録したのみならず、翌年には全米シングル・チャートで1位にも輝いた。

14. This Is How It Feels – Inspiral Carpets

マッドチェスター御三家といえば、ストーン・ローゼズ、ハッピー・マンデーズ、そして、このインスパイラル・カーペッツである。オルガンのサウンドが印象的で、牛のイラストのロゴマークが入ったTシャツがものすごく売れて、オアシスのノエル・ギャラガーがローディーをやっていたことでも知られる。代表曲であるこの曲は、全英シングル・チャートで最高14位を記録した。

13. Bonita Applebum – A Tribe Called Quest

コンシャスなラップを特徴とするネイティヴ・タンという一味にデ・ラ・ソウル、ジャングル・ブラザーズらと共に属していたア・トライブ・コールドのデビュー・アルバム「ヒップホッパーズQ軍団の大冒険(ピープルズ・インスティンクティヴ・トラヴェルズ・アンド・ザ・パスズ・オブ・リズム」からシングル・カットされ、全英シングル・チャートで最高47位を記録した。同じアルバムからルー・リード「ワイルド・サイドを歩け」をサンプリングした「キャン・アイ・キック・イット?」は15位まで上がっている。

12. Only Love Can Break Your Heart – Saint Etienne

セイント・エティエンヌのデビュー・シングルで、ニール・ヤングのカバーである。当初、ボーカリストは固定しない予定だったため、この曲を歌っているのはサラ・クラックネルではなくモイラ・ランバートである。全英シングル・チャートで最高39位、全米ホット・ダンス・クラブ・プレイ・チャートでは1992年に1位を記録している。

11. There She Goes – The La’s

オリジナル・バージョンは1988年に発売されていたのだが、1990年にスティーヴ・リリーホワイトによってリミックスされたバージョンがリリースされ、全英シングル・チャートで最高13位を記録した。ラヴ・ソングのようでいて、ドラッグについて歌われているともいわれている。

10. Enjoy The Silence – Depeche Mode

アルバム「ヴァイオレーター」からの先行シングルとしてリリースされ、全英シングル・チャートで最高6位、翌年のブリット・アワーズでは最優秀ブリティッシュ・シングルに選ばれた。

9. Kinky Afro – Happy Mondays

「NME」の年間ベスト・アルバムで1位に選ばれた「ピルズ・ン・スリルズ・アンド・ベリーエイクス」からの先行シングルで、全英シングル・チャートで最高6位を記録した。ソウルフルなコーラスやラベル「レディ・マーマレード」を思わせるフレーズなどが印象的で、グルーヴィーな曲に仕上がっている。

8. The Only One I Know – The Charlatans

この年にシングル「シーズ・ソー・ハイ」でデビューしたブラーと同様に、マッドチェスターやインディー・ダンスの後追いバンド的にも見られていたような気もするザ・シャーラタンズだが、実際にはひじょうに長く続くことになった。2枚目のシングルとなるこの曲が全英シングル・チャートで最高9位を記録し、続くデビュー・アルバム「サム・フレンドリー」も全英アルバム・チャートで1位に輝いた。

7. Being Boring – Pet Shop Boys

ペット・ショップ・ボーイズのアルバム「ビヘイヴィアー:薔薇の旋律」からシングル・カットされ、全英シングル・チャートで最高20位を記録した。チャートの順位はこの頃のペット・ショップ・ボーイズとしては最も低いものであったが、人気はひじょうに高い曲になっている。アナログシンセを使用することにより、より温かみのあるサウンドになったのに加え、切ないメロディーと亡くなってしまった友人を回想する歌詞もひじょうに印象的である。

6. Step On – Happy Mondays

南アフリカ出身のシンガー・ソングライター、ジョン・コンゴスが1970年代にヒットさせた曲のカバーで、全英シングル・チャートで最高5位を記録した。ポール・オークンフォールドとスティーヴ・オズボーンのプロデュースにより、インディー・ロックとダンス・ミュージックとを融合したマッドチェスター・ムーヴメントを代表するヒット曲の1つとなった。

5. Soon – My Bloody Valentine

「グライダーEP」の1曲目としてリリースされ、翌年のアルバム「ラヴレス」にも収録された曲である。トレモロアームを握ったままコードをかき鳴らすグライド・ギター奏法とダンス・ビートの導入が画期的であり、ポップ・ミュージックの可能性を拡張した楽曲の1つだといえる。

4. Vogue – Madonna

シェップ・ペティボーンを共同プロデューサーとして迎え、ハウス・ミュージックを取り入れた意欲的な楽曲で、アメリカやイギリスをはじめ、多くの国のシングル・チャートで1位に輝いた。アンダーグラウンドなサブカルチャーであったヴォーギングを取り上げたり、歌詞ではハリウッド黄金時代の役者たちの名前が挙げられたりもしている。

3. Nothing Compares 2 U – Sinead O’Connor

プリンスが作詞・作曲をした失恋バラードの名曲で、シニード・オコナーの切実なボーカルが素晴らしく、アメリカやヨーロッパ、オセアニア各国など、多くの国々のシングル・チャートで1位に輝いた。歌っているうちに本当に泣いてしまうシーンも収録された、ミュージックビデオもひじょうに話題になった。

2. Loaded – Primal Scream

80年代にインディー・ポップ・バンドとしてデビューしたプライマル・スクリームがダンス・ミュージックの要素を取り入れ、全米シングル・チャートで最高16位を記録した楽曲である。元々は既存曲であった「アイム・ルージング・モア・ザン・アイル・エヴァー・ハヴ」をアンドリュー・ウェザオールがリミックスしたものだが、インディー・ダンス時代を代表するクラシックとなり、1991年の素晴らしいアルバム「スクリーマデリカ」につながっていたり、やはりインディー・ポップ・バンドとしてデビューした日本のフリッパーズ・ギターに影響をあたえたりもした。

1. Groove Is In The Heart – Deee-Lite

ロシア人のDJディミトリーとアメリカ人のシンガーで、ダンサーやデザイナーでもあるレディ・ミス・キアーに、坂本龍一の「サウンドストリート」でデモテープが採用されていたことでも知られるテイ・トウワも加わった音楽ユニット、ディー・ライトによる、コスモポリタンでカラフルでポップでサイケデリックなダンス・ポップである。全米シングル・チャートで最高4位、全英シングル・チャートでは最高2位のヒットを記録した。