ファレル・ウィリアムスの名曲ベスト10

ファレル・ウィリアムスは1973年4月5日、アメリカばバージニア州で生まれ、1990年代にはプロデュースチームのザ・ネプチューンズを結成、様々なアーティストのプロデュースやコラボレーションによって、数々のヒット曲を世に送り出してきた。今回はその中か、ら特にこれは名曲なのではないかと思われる10曲を挙げていきたい。

10. Hollaback Girl – Gwen Stefani (2004)

グウェン・ステファニーのソロデビューアルバム「ラヴ. エンジェル. ミュージック. ベイビー. 」からシングルカットされ、全米シングル・チャートで4週連続1位を記録した曲である。ザ・ネプチューンズによるミニマルなトラックと、ポップでキャッチーなメロディーとの相性が素晴らしく、とある男性誌において、最もイラつかせる曲に選ばれたのも栄誉あることである。ミュージックビデオにおける原宿ガール的なチアリーディング感覚も楽しくてとても良い。

9. Happy – Pharrell Williams (2013)

アニメーション映画「怪盗グルーのミニオン危機一発」のサウンドトラックからシングルカットされ、アメリカやイギリスをはじめ、多くの国々のヒットチャートで1位に輝いた。元々はシーロー・グリーンに提供される予定の曲だったという。アカデミー歌曲賞にもノミネートされたが、これは「アナと雪の女王」の「レット・イット・ゴー」が受賞した。当時、あまりにもヒットしすぎて聴き飽きたような感じもあったのだが、やはりポップソングとしての強度にはすさまじいものがあり、抗うことは難しいといえる。

8. I’m Slave 4 U – Britney Spears (2001)

ブリトニー・スピアーズの3作目のアルバム「ブリトニー」から先行シングルとしてリリースされ、全米シングル・チャートでの最高位は28位と、当時のブリトニー・スピアーズにしてはそれほど高くなかった。それまでのアイドル的な路線を脱したかのような、アダルトでセクシーなイメージには確かに賛否両論があったのだが、ザ・ネプチューンズの特徴であるミニマルなサウンドと個性的なボーカルとの組み合わせは、かなり刺激的であった。

7. Hot In Here – Nelly (2002)

2002年の夏を象徴するヒット曲で、全米シングル・チャートで1位に輝いている。暑いので服を脱いで裸になってしまおうという、とても真っ当なメッセージがご機嫌なトラックに乗せて歌われている。チャック・ブラウン&ザ・ソウル・サーチャーズ「バスティン・ルース」が引用されているところも、ポイントが高い。

6. Drop It Like It’s Hot – Snoop Dogg featuring Pharrell (2004)

スヌープ・ドッグの7作目のアルバム「R&G(リズム&ギャングスタ):ザ・マスターピース」から先行シングルとしてリリースされ、全米シングル・チャートで2004年の年末に3週連続1位を記録した。やはりザ・ネプチューンズのミニマルなサウンドプロダクションがとてもカッコいいのだが、舌を鳴らしているようなサウンドを効果的に用いているところが特にユニークである。スヌープ・ドッグといえばドクター・ドレーのプロデュースによる初期の作品のイメージがひじょうに強いわけだが、全米シングル・チャートで初の1位に輝いたのはこの曲であった。

5. Get Lucky – Daft Punk featuring Pharrell Williams & Nile Rodgers (2013)

ダフト・パンクの4作目にして最後のスタジオアルバム「ランダム・アクセス・メモリーズ」から先行シングルとしてリリースされ、本国のフランスやイギリスなど多くの国々のシングル・チャートで1位に輝き、全米シングル・チャートでは5週連続2位のヒットを記録した。シックのナイル・ロジャースが共作、共演し、ハウスミュージックとディスコクラシックの融合が実現しているのと同時に、後のフューチャー・ノスタルジックなトレンドにも影響をあたえたように思える。

4. Got Your Money – Ol’ Dirty Bastard featuring Kelis (1999)

ウータン・クランの一員でもあるオール・ダスティー・バスタードの2作目のソロアルバム「ニガー・プリーズ」からシングルカットされ、全米シングル・チャートで最高33位を記録した。コーラスで参加しているケリスは、この曲でレコードデビューを果たしたことになる。

3. Milkshake – Kelis (2003)

ケリスの3作目のアルバム「テイスティ」から先行シングルとしてリリースされ、全米シングル・チャートで最高3位のヒットを記録した。元々はブリトニー・スピアーズに提供されたのだが、却下された結果、ケリスが歌うことになったようだ。低音が強調されたユニークなビートとケリスのセクシーなボーカルが好評で、テレビドラマや映画のサウンドトラックでもよく使われている。

2. Grindin’ – Clipse (2002)

アメリカはバージニア州出身のラップデュオ、クリプスのデビューシングルで、全米シングル・チャートで最高30位を記録した。ザ・ネプチューンズがプロデュースした楽曲といえば、実験的でありながらポップでキャッチーでもあるところが特徴なのだが、この曲においては実験性の方にかなり寄っていて、ほとんどギリギリのところでキャッチーでもあるという頃合いが絶妙でとても良い。つまり、かなりユニークだということができ、ザ・ネプチューンズ的なサウンドのエッセンスが凝縮されているように感じられる。

1. Alright – Kendrick Lamar (2015)

21世紀になってからリリースされたアルバムの中でも、2022年4月の時点で最も高く評価されているように思えるケンドリック・ラマー「トゥ・ピンプ・ザ・バタフライ」収録曲で、シングルカットもされた。全米シングル・チャートでの最高位は81位だが、BLM運動のアンセムなどとして、高いポピュラリティーを得るようになった。また、悲観的な状況においても希望を失わないポジティヴィティーに溢れたメッセージソングとしても、機能しているように思える。